◇ ROOT90MD -Feature-

初回分の検品に出荷も終わり少し落ち着いたところでございます。ありがたいことに既に売り切れたお店様もあり追加注文を続々と頂いている次第です。購入頂きました皆様ありがとうございます。  

今回、初回コラムということでROOT90MDの特徴、設計するにあたり拘った点などを深く掘り下げて紹介したいと思います。
まず初めに開発に至るまでの経緯についてだがホームページのROOT90MDの紹介文にも掲載していますが昨今の釣り人の釣り方がただ巻きをメインとしたスタイルにしていることが多く見受けられることにある。一昔前であれば大体の釣り人がトゥイッチやジャークを基本にした釣り方が主流であった。

個人的にも釣り方は日を追うごとに変化していき、ただ巻きをメインにトゥイッチやジャークを織り交ぜる釣り方にシフトしていった。その理由だがトゥイッチやジャークを主体にした釣りでは魚のリアクションやスイッチを入れるには効果的だが、時としてミスバイトの誘発、過度にプレッシャーがかかった状況では逆効果になりうることもあるのである。個人的にもそうした理由からただ巻きを主体とした釣り方にプラスしてここぞという箇所でトゥイッチ&ジャークでアクションをさせバイトに持ち込む釣り方にシフトしていった経緯がある。ただし、状況によっては連続したトゥイッチやジャークでしか反応しない魚がいるのもまた事実であるが。

              
ROOT90MD ただ巻きアクション!!


ROOT90MD最大の特徴!!チドリアクション!!
既存のルアーではただ巻き時、最大の弱点がある。それは既存のルアーをただ巻きで使用した場合、安定感のある既存のルアーでは食わせるキッカケやスイッチを入れてバイトに持ち込むことが困難なことにある。その結果、ただ巻き時に特に多くあるのがルアー回収時のバイトである。地形等の関係もあるので全部が全部とは言えないが河原でウェーディングをする釣り人なら過去に経験があるの釣り人も少なくないのではなかろうか?

では何故そういったことが起きるのか?ということだが、ルアーを魚が追尾してきていることに釣り人側が気付かずに回収時にルアーの起動が急に上方向になり慌てふためいた魚が逃げられるとでも錯覚するのか食い上げという現象が起きる。それにプラスして回収時にはリーリングスピードも早まることで尚更そういった魚の行動に拍車をかけているのではないかと思っている。

そういった部分から、ただ巻き時にいかに食わせるキカッケやスイッチを魚に入れられるのかである。そこで、ふと思ったのがチドリアクションならどうなのかと。そこに着目しROOT90MDの開発がスタートする。
チドリアクションとはただ巻き時にルアーの構造や水流変化等などによりイレギュラーに蛇行するアクションのことである。ただし、やみくもにチドリアクションをすればいい訳ではなくチドリアクションが大きすぎると流れを釣るサクラマスなどの釣りにおいて、意図しない浮き上がりの発生や最悪は飛び出してしまうこともある。
開発時にもっとも拘った点がチドリアクションを発生させる流速変化の強さ。流速変化のどの強さでチドリアクションを発生させるかが肝であり課題でもあったが何とか試行錯誤の末に無事に完成。ホームページに掲載されている動画を見ていただけるとわかりやすいかと思うのでそちらを参考にして頂きたい。ちなみに、通常の流速変化のない場所ではカリカリ感のあるウォブンロールアクション。

ROOT90MD トゥイッチング&ジャークキングアクション!!
  

ROOT90MDにおいて、ただ巻き時のチドリアクションに重きを置いて設計、開発をしたのだがトゥイッチング&ジャークキングにも対応できないルアーでは釣り幅が狭い特殊過ぎるルアーになりかねないためトゥイッチング&ジャーキングにも幅広く対応できるように設計。言うのは簡単だがチドリアクションとトゥイッチ&ジャークの融合は無理難題だらけでかなり苦戦。ルアーのボディー形状やウェイト配分、リップ形状の見直しを何度も繰り返して、ようやく高次元でいろいろな釣り方に対応できるルアーへと仕上がる。
トゥッチング時には水中動画にもあるように小刻みに左右へダート。扁平ボディーやリップデザインにより不用意な浮き上がりを押さえることにも成功。ジャーキング時の動画はないのだがトゥッチング時の小刻みなダートとは違いスライドダートするようになっている。

ROOT90MD ラトルサウンド!!


ROOT90MD、只今開発中のディープモデルにはラトルサウンドを搭載。ラトルに関してはいろんな意見があると思うが個人的にはあった方がいいタイプとない方がいい場合があると考えている。
今回のMDにはタングステンの重心移動ウェイトが前方へと移動し収まった場所でのラトルサウンドとなっていて特別にラトルルームを設けているわけではない。
ラトルサウンドにも経験上、良し悪しがある。そこは秘密だが(笑)今回のラトルボールは重心移動がタングステンボールなため、ゴトゴトとした低重心サウンドになっている。
ラトルサウンドには諸説いろいろとあるが、濁り時などにルアーの存在をアピールする要素や威嚇などに訴えかけるものとしての考えがあるため搭載をした経緯がある。
またラトルサウンドとは話が変わるがタングステンボールにすることでスチールボール(鉄球)より小型化でき低重心化するためにトゥイッチングやジャーキング時の不用意な浮き上がりを押さえることにも一役かっている。

最終プロト、テスト時の模様

今回のROOT90MD最終プロトが出来上がったのが5月の初旬。最終プロトを持ち込んでの釣行では、ワザと先行者が釣り終わった後、しかも有名ポイントに入るというテストを繰り返し行った。なぜなら、シークレットなポイントや朝イチの誰もキャストしていないフレッシュな状況ではこのルアーのポテンシャルを確認するテストにはならないと考えたからである。
その答えは毎回ではなかったが確かな確信へと変わる釣行になった。
面白い話があるのだが月日は6月、最終サクラマス釣行を米代川で行った際のことである。今回、DSENSEとしてサポートする加賀氏と釣行した際の話なのだがとある岩盤のあるポイントにて何気なしに加賀氏に最終プロトを渡したのである。何投かした時に「来ました!」と加賀氏。ゆっくりやりとりをし無事にキャッチ!!流石やねー!と言ったところ「俺なにもしてないっす!!巻いてたら釣れちゃったっす!!」(爆)二人で爆笑!!恐らくだが岩盤の中の流速の変化でチドリを起こしたためではないかと推測。その後、自分にもバイトがあったが乗せられず次の日に人が打った後に一本キャッチしての最終釣行となった。


最終プロト、テスト時のサクラマス!!

最終のプロトタイプ!!
この数の何倍もの数が意味のある無駄に(笑)

最終プロトのリップ!!
最後の微調整は手削り(笑)
最終プロトルアー!!
ローリングマークやら歯形でボロボロ(笑)